2011年06月30日

鳥取旅行記(ビール編)

 春分の連休に、北海道へ行く予定だった。
 しかし3月11日に大地震が起き、さらに福島の原子力発電所の問題が持ち上がった。
 壊れた発電所からは、放射性物質が漏れ出ている。

私「北海道行き、どうしようか」
D「わざわざそっちの方向に向かってゆくのもね……」

 飛行機の行路を調べてみると、やはり福島の上空を飛ぶようだ。
 原子力発電所の真上は避けるだろうが、ただでさえ飛行機に乗ると、宇宙放射線を浴びる量が増えるというのに。

私「うちの両面焼きの魚焼き器みたいだよね〜 上から下から放射線」
D「アメリカ軍は日本政府より厳しい立ち入り禁止命令を出しているし」
私「旅行、中止にしてもいいよ。残念だけど」

 正直、こんな時に旅行なんてと、ほとんど諦めていた。

D「いや、こうなったら、反対方向に行かない?」

 Dちゃんが最初に提案したのは、福岡だった。
 一度行ったことがあるから勝手が分かる、というのがその理由。

私「うーん、せっかくなら、前から行きたかった場所に行きたいなぁ」
D「どこか希望ある?」
私「あるよー!」

 私は小さなメモを差し出した。

D「すごい〜 行きたい所がリストにまとめてある!」
私「フランスや小笠原は連休だけじゃ無理だね。実現可能で、一番西にある土地は…… 鳥取の境港かな」
D「じゃあ、航空券取っておいて!」

 出発3日前で残席・空室は少なかったが、どうにか飛行機とホテルを予約することが出来た。
 ホテルは、地ビールを作っているレストランに近い所をDちゃんが見つけてくれた。
 こんなに急に、憧れの境港へ行くことになるなんて。
 人生って分からない。

 でも、原発事故や地震(もう一回でーんと来たりとか。実際に震源の違う大きな地震が毎日のように起きている)で、もうじき死んじゃうとしたら、なおのこと楽しい経験をしておかなければ。
 つまらない思いをしながら最期を迎えるのが一番イヤだ。

 大慌てで境港周辺の情報を集める。
 食べログで美味しい店を調べ、観光協会のサイトなどで地図を印刷。
 家事もたまっていて忙しく、ちょっとつらかった。

 しかしこれで、混乱する首都圏から抜け出せるのだ!

2011年3月20日(日)

 どうしていつも旅の前日は寝不足なのだろう。
 皿洗い、荷造り、風呂で、寝たのは4時だ。
 どうにか7時に起きて、8時少し前の電車に乗った。

 本当は7時に家を出る予定だったんだが。
 何しろ計画停電や余震の影響で、羽田までの交通が一番読めない。
 電車が来ないんじゃないか。
 乗っても突然止まるんじゃないか。

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↑秋葉原駅のホームからヨドバシを撮影

 ありがたいことに、電車は遅れることもなく順調に進んでいる。
 計画停電、休日はやらないみたいだ。

 8時半過ぎ、浜松町駅でモノレールに乗れた。
 あとは余震が来ないことを祈る。

 東京は日が差している。
 線路わきの川が光を反射してキラキラしている。
 風景は平和だ。風景だけは。

 9時前に空港到着。ひとまず安心。
 カフェで軽く朝食を取り、本屋に入る。
 境港が舞台になっている「のんのんばあとオレ」と「砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない」を手に入れたかったのだが、無かった。残念。

 特にやることもないので、搭乗口の方へ向かうことにする。
 Dちゃんはカバンを二つ持っていたので、大きな方を預けた。
 そして保安検査場という所を通り、荷物のチェックをしてもらう。

 私はカメラとフィルムを別にしてもらった(X線で感光しないように)
 カメラは、一枚床をカラ撮りしてくれ、とのこと。
 カメラが改造された危ない機械などではなく、本物のカメラであることを証明するためだろう。
 
 荷物は、一度検査装置を通した後、半分荷物を出して再検査になった。

私「何でだろう? カメラを別にしてもらったから?」
D「いや、詰め込み過ぎで中が見えなかったんだよ」

 荷物を一つだけにしようと、ぎゅむぎゅむにしたのが良くなかったのか。
 出された荷物を戻したり、何だかんだとずいぶん時間がかかった。
 係の人はとても親切で、イタリアに行った時の検査とはえらい違いだった。
 あの時は容赦なく歯磨き粉を没収されたからなぁ(国際線では、液体類の機内持ち込みに制限がある)

 私たちの乗る米子空港行きの便は、機材繰りのため出発が遅れるそうだ。

D「タイヤが足りない! とかだったりして」
私「『機材繰り』っていう言い方が面白いよね」
D「F1のピットみたいのを思い浮かべたよ。『しまった、尾翼を付け忘れた!』とか」
私「『資金繰りのため』だったらシャレにならないよね」
D「マチ金に金借りに行ってます!」
私「燃料代がありません! 飛行機なのに自転車操業!」
D「自転車操業の歴史を塗り替えた!」

 こんな会話するほどヒマだったんですね。
 ちなみに航空会社は噂のJALではなくANA。
 JALに米子行きはないのです。今回初めて知った。

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 30分遅れでようやく機内へ。
 予定していた機体ではなく、別の飛行機に変更になったのが原因だったらしい。
 機材繰りって、そういうのを言うのか。

 緊急時の酸素マスクの使用方法を聞いたりしながら、離陸を楽しみに待つ。
 あの「フワッ」という感覚が、緊張とドキドキが、好きなのだ。

 アナウンスで、米子空港を「米子鬼太郎空港」と呼んでいてびっくりした。
 こんな正式な場所で使われちゃうんだ。
 水木しげるも貧乏しながら頑張って漫画描いて、こんな空港名にまでなるなんて、報われたなぁ。
 すごい人だもんね。

 離陸前の、激しい助走が始まる。
 そして、フワッ

 さらば、混乱した東京。
 私が戻るまでに、もう少し元通りになっているといいのだけど。
 ムリか〜
 せめて原発だけでも落ち着くといいなぁ。

 機内で和歌山のはっさくジュースを買ってみた。
 ただ甘いだけでなく、酸味、ほのかな苦みもあり、さっぱりして美味しい。
 一緒にポルボロンというお菓子も購入。

 飛行機はけっこう揺れている。
 余震で鍛えたので、これくらいならちっとも怖くない。
 むしろ「地震の影響」から離れられるのが嬉しくて仕方ない。

 飲んだり食べたりしているうちに、あっという間に米子到着。
 羽田から1時間20分程だろうか。
 鳥取って、意外と近い。

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↑預けた荷物を受け取る場所。さっそく鬼太郎がお出迎え。

 空港は鬼太郎でいっぱいだ。

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 まずは昼ごはん。
 事前に調べておいた「炉端かば」に入る。
 空港の2階にある、居酒屋風の店だ。

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 Dちゃんはサーモンいくら丼を注文。

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 私は岩のりおにぎりと、

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 豆腐ちくわを。

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 これは鳥取名物の、豆腐で出来たちくわだ。
 といっても豆腐100%ではなく、豆腐7割、白身魚3割で合わせるらしい。
 桜庭一樹のエッセイに何度か出てきて、鳥取に来たら絶対食べようと思っていたのだ。

 豆腐ちくわの味は…… 何だろう、ちょっと知っている……
 分厚い油揚げの、真ん中部分みたいな?(←分かりにくい!)
 淡白だけどうまみがある。

 岩のりおにぎりに付いてきたシジミのみそ汁も良かった。
 シジミそのものが、東京のみたいに変な苦みがなくて、パクパクいける。
 汁も身も残さず食べた。

 建物の外に出ると、磯の香りがした。
 東京とは違う匂い。

 空港からホテルの方向へ電車で向かおうと思い、近くの「米子空港駅」まで歩く。
 無人駅で、駅員はもちろん、客もいない。
 この境線は単線で、本数が少ないことが分かった。

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 今の時刻だと、40分以上待たなければいけない。
 それではと空港に戻り、バスの時刻表を見るが、これも本数が少ない。
 結局タクシー。
 ガソリン不足の影響もここではないようで、すぐに乗ることが出来た。

 タクシーから海が見える。
 海辺はずっと松林が続く。
 幹や枝がかなり折れていて、運転手さんが「雪のせいだ」と教えてくれた。
 そういえばこの冬、日本海側で雪の被害が酷かったと、ニュースで言っていたっけ。

「今年は、本当に春が来るのかな、って思いますよ」

 運転手さんは、雪の記憶に相当うんざりしている様子だった。
 東京に比べると湿気っていて暖かく、春は着実にやって来ていると思うのに。

 鳥取に着いて、本当にホッとした。
 本来、旅というのは楽しくても疲れるものだ。
 しかし今は自宅の方が「災害空間」へ移動してしまったので、この旅行で「日常空間」に戻った感じ。
 
 薄曇りで雨がパラパラしている。
 米子の中心部を過ぎると、てっぺんが白い、富士山みたいな山が大きく見えた。
 あれが大山だろうか。

 3時少し前に今日の宿である「大山ロイヤルホテル」に到着。
 空港の方は蒸し蒸ししていたが、こちらは風が強くけっこう寒い。
 道には雪が残っている。

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 ホテルの部屋の椅子に座り、外を眺める。
 なんて安らかな気持ちだろう。
 余震を気にしなくて済むのが、こんなに楽だなんて。

 荷物を置いて「大山まきばみるくの里」へ行くことにする。
 牧場にあるレジャー施設だ。

 エレベーターで若い男性(20代くらい)のグループと乗り合わせた。
「あめちゃん入ってる」
 という言葉を聞いてハッとした。
 イントネーションからして関西の人たち。
 本場の「あめちゃん」に感動!
 会話で使ってるの、初めてナマで聞いたー!!

 このホテルはファミリー向けのプランが多いせいか、子どもがいっぱいいる。
 子連れの人は気兼ねせず使えていいかもしれない。
 部屋も広々としているし。

 フロントでタクシーを呼んでもらい、みるくの里へ。
 車で10分ほど山を登っただけなのに、雪がずいぶん分厚く積もっている。
 ここはまだ、冬だ。

 なのに。
 ここの名物はソフトクリーム!
 もちろん食べましたよ〜
 牛乳らしい味がして、美味しかった。

 見晴らしが良く、日本海や明日行く境港を眺めることが出来る。
 水面が夕日を反射して光り、綺麗だった。

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 ずっと見ていたかったけれど、風が強くて寒い。
 建物の中にある売店でチーズを買い、再び外に出ると、タクシーが。
 30分後にまたお願いしますと、さっきの運転手さんに頼んでおいたのだ。

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 そのまま山を下り、地ビールレストラン「ガンバリウス」へ。
 漫画「もやしもん」がきっかけでここのビールを知り、わざわざ取り寄せて飲んだこともある。
 ずっと憧れていたガンバリウス。
 それが今、目の前に……!

 せっかくだからと、ビール飲み放題のコースにしてみる。
 お酒、強くないのにね。
 酔わないように、まずは料理を。
 サラダ、カレー、ソーセージなど。

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↑特にソーセージが美味

 ビールの1杯目は、ヴァイツェン。
 フルーツっぽいほんわかした香り。
 ビンで飲んだ時より美味しい。

 2杯目はペールエール。
 これがすごかった。
 まごうことなきマスカテルフレーバー。
 熟したぶどうのような、甘く濃い香り。
 うま〜 
(マスカテルフレーバーは、紅茶を評価する時によく使う単語です) 

 しかし酔い切って倒れるのが怖くなり、少し残して帰ることに。
 入り口の方を見ると、人がダーッと並んでいる。
 けっこう大きな店なのに(そして山奥なのに!)満員なのだ。
 この味なら、当然だろう。

 もっと飲めるものなら飲みたかった。
 酒に強い人が羨ましい。
 実際にここに来られたなんて、夢みたいだ。
 余震疲れが取れた気がする。

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↑ビールのタンク。ここでオリジナル地ビール「大山Gビール」が作られている。

 レジでタクシーを呼んでもらうと……
 あーっ
 牧場に行った時の運転手さんだ。
 びっくり。

 ガンバリウスとホテルは900メートルしか離れていない。
 晴れた昼間なら歩きたいところだけど、今は雪で歩道が埋まっている。
 このあたりは年末年始の頃、大雪で全く通れなくなったそうだ。

 車道にはたまに、タヌキが出没するとのこと。
 特に、食べ物が少なくなる冬に多いらしい。
「何度か轢いてしまって。可哀想なことをしました」
 と運転手さん。

 タヌキにぶつかることもなく、無事ホテルに到着。
 まだ夜の7時だ。
 卓球やりたい、とか言いつつDちゃんも私も酔って眠くて、すぐ寝てしまった。

「鳥取旅行記(妖怪編)」に続く)

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鳥取旅行記(妖怪編)

「鳥取旅行記(ビール編)」からの続き)

2011年3月21日(月・祝)

 7時前に起床。
 自然と目が覚めた。
 外を見ると、曇って霧が出ている。

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 大山も見えない。
 雨が降っているかは不明。
 せめて雨だけでも降らないでおいて欲しいな……

 他の風景も見たくて、エレベーターのそばの窓のところに行く。
 やっぱり曇ってる(当たり前だ)

 部屋に戻ると、Dちゃんも起きていた。
 私は着替えや片付けなど先に済ませていたのでボーッとしていたら、
「することがなくて手持ち無沙汰なら、体操するといいよ」
 何故待たせた上にやることまで指示するか?!
 ボーッとしていたってええじゃないかーっ

 という訳で、体操してこの旅行記のためのメモを書いた(結局、指示に従う私)

 朝ごはんはバイキング。
 鳥取産の山いもを使った和え物が美味だった。

 10時頃、タクシーを呼ぶ。
 うわぁ、同じ運ちゃん4回目!
 もうお馴染みという感じで、話がはずんだ。

 となるとやはり、震災の話題が出てくる。
 旅行中は地震を忘れたかったのだが、仕方ない。
 震源からどんなに遠くても、日本人はみな、この不幸が頭から離れないのだ。

運「あんなになっちゃうなんてね…… この夏、女房と一緒に東北をまわろうって話してたんだけど」
私「大丈夫ですよ! ニュースを見ていると、東北地方の右半分が全部海に飲まれちゃったような気分になるでしょう」
運「いやぁ、本当にそうです」
私「実際は、仙台市でも海辺でなければ建物が無事なところがあるそうですから。夏頃には、きっと色々復旧して、旅行だって楽しめますよ」
運「そうだと良いんですけどねぇ」

 おじさんは観光タクシーのように鳥取のことを教えてくれた。
 このあたり(鳥取県西部)は出雲文化圏で、古墳なども沢山残っている。
 鳥取名産のらっきょうは風邪に効く。
 桜庭一樹の出身地は〇〇で……
(公開されている情報と違うので伏せる。どちらが正しいのかは分からない)
 等々。

 私はお礼として、関東の話をした。

私「多摩川では熱帯魚が繁殖しちゃって、タマゾン川って言われているそうですよ」
運「タマゾン川!!」
私「東京は人がいっぱい住んでいるでしょう。みんなお湯を使うから、川に入る排水の温度が高くて、熱帯の川みたいになるんです。そこにペットとして飼われていた熱帯魚が捨てられて、増えちゃう」
運「へえーっ 面白いですねぇ。タマゾン川!!」

 喜んでくれて良かった。
 ま、立派な環境破壊だがな。

 運ちゃんはかなりスピードを出し、後ろを向いておしゃべりしながら運転する。
 ちと怖い。
 この道はほとんど庭同然なんだろうけど。

 11時少し前に米子駅に到着。
 移動が予想外に楽しかった。
 おじさん、ありがとう!

 境港へ行くため、境線の時刻表を見ると、次の電車は11時半。
 切符を買い、本屋を探す。
 まずは駅構内の小さな店で水木しげる「昭和史」1、2巻を購入。
 次に駅前のスーパー、サティの店で「砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない」を。
 直前とはいえ、境港が舞台になっている本を手に入れられて、良かった〜

 ニコニコしながら駅に向かっている途中。

「アーッ!」
「どうしたの、急に大声出して」
「昨日、みるくの里で買ったチーズ、ホテルの冷蔵庫に置いてきちゃった」
 
 電車で食べようと思っていたのに……
 あうー

「まあ、しょんぼりも思い出のうちだよ」

 そうDちゃんに慰められたけど、食べられなかったチーズは、なんて美味しそうなんだろう。

 境港に向かう電車は、0番線ホームから出る。
 妖怪の街への出発口にぴったりだな。

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 古い車両に感激。
 走り出すとけっこう揺れて、連結部分の鉄板がガシャンガシャンと大きな音を立てる。
 まるで馬車に乗っているようだ。

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↑目玉のおやじ列車とすれ違う。うおお。

 車窓から見える風景は、住宅地と畑。
 晴れていれば綺麗なのだろうが、曇りだと冴えない。

 境港駅を降りると…… まあ、普通の街。
 しかし、ありとあらゆるものが鬼太郎。

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↑ポストにまで!

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↑河童の三平

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↑死神

 うーむ、駅前からすごいな。
 ここからかの有名な、水木しげるロードを進んでゆく。

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↑街灯が目玉のおやじだよ。

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↑妖怪神社。上に引っかかってる(なんて言ったら怒られるな)のは一反木綿。

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↑水流でくるくる回る目玉のおやじ。誰かがいじったのか、高速回転していた。

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↑タクシーまで……!!

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↑子なきじじい。雨に濡れて味わい深くなっている。

 そう、結局雨が降ってしまい、傘を差しての観光となった。
 最強の雨男・雨女コンビなので、仕方あるまい。
 道中、駅のロッカーに毛糸の帽子を預けたのをずっと後悔していた。
 寒かった〜

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↑トイレの表示まで鬼太郎。徹底してる。

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↑床屋もこんな。窓には「ゲゲゲの鬼太郎のヘアーサロン」と書いてある。

 100体以上ある妖怪ブロンズ像もすごいが、こういう地元の人が独自に飾っているものが面白い。
 とにかく何もかもが妖怪まみれの中、くまのプーさんのぬいぐるみを置いている店があった。

「彼も針のむしろの上にいるような気持ちだろう……」

 とDちゃんが言っていて、ウケた。

 道沿いには妖怪関連のおみやげ屋がいっぱい。
 中でも目を引くのが、こちら。

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 「妖怪食品研究所」というお店の「妖菓 目玉おやじ」

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 艶やか! 鮮やか!
 実はこれ、和菓子なのです。
 中にあんこが入ってます。美味しい。

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↑遊び方の写真も。激しいな、姉さん。

 昼食は、長右衛門という店で水炊きを。
 寒かったので助かった。

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 その後、もうちょっとウロウロ。

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↑小豆洗い

 「小豆とぎ」とも言いますね(アニメではこう呼んでいたはず)
 私が一番好きな妖怪。
 川で小豆をとぎながら、

「小豆とごうか、人とって食おか、ショキ、ショキ♪」

 と歌うのです。
 そのくせ、小豆ばばあに悪巧みを持ちかけられると、
「おら、人とって食ったことねえだ〜」
 と泣き出す。

 ああ、なんて可愛い。
 とっとと和菓子屋に就職してしまえ〜

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↑油すまし

 水木しげる作品より、立花晶の漫画「サディスティック・19」の登場人物としての印象が強い。
 すまちゃんと呼ばれ、戸袋に入ったりしていた。

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↑悪魔くんとお人好しメフィスト

 ブロンズ像の写真を撮り始めるとキリがない。
 ひとまずやめにして、水木しげる記念館へ行くことにする。

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↑入り口の、のんのんばあとオレ

 ここには、水木しげるの若い頃の絵画も展示されている。
 色彩が美しく幻想的で、当時から才能があったんだなぁと、見惚れた。

 これは京極夏彦プロデュースの中庭。

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 この立て札が良い。

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「この庭園は妖界につき、立入りはご遠慮下さい。」

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↑あっ、ねずみっ

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 こんなのもあったり。
 なかなか楽しかったです。

 トイレには、
「鬼太郎も 使った後を ふりかえる」
 という標語が貼ってあった。
 どんな所にも手を抜かないな、鳥取県民。

 Dちゃんは会社におみやげを買わなければいけない。
 あの目玉和菓子……は刺激が強過ぎるというので、妖怪饅頭を。

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 もうそろそろ帰る時間。
 寂しいね。
 さらば、ねずみ男。

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↑握手する人が多いらしく、手がピカピカしている。

 水木しげるロードの一番人気は目玉のおやじだったな。

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↑お酒にもなっているようだ。

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↑目玉のおやじ街灯に明かりが灯る。

 境港駅に着くと、ちょうど10分後に電車が来るとのこと。
 本数が少ないので、ラッキーだ。
 しばらくすると……

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 ねこ娘列車だー!!

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↑シートもねこ娘。 

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 妖怪のみんな、さよ〜なら〜

 そのまま米子空港へ。
 ここで1日目と同じように炉端かばに入る。
 店員さんは私たちのことを覚えていてくれて、
「2日間連続で使ってくださってありがとうございます」
 と、カマボコに山いもを通してスライスしたものをサービスしてくれた。

 Dちゃんはさしみ定食を食べながら、
「タコがやわらかい。やっぱり産地から近いと魚介類は違うんだね〜」
 としきりと感心している。

 この店を選んだのは本当に正解だった。
 他にもお客さんがいっぱい来ている。

 食事後、おみやげ屋でらっきょうなどを買う。
 鳥取はカレーの消費量日本一だというけれど、それはきっとらっきょうが美味しいからだと思う。
 どの料理屋でもメニューにカレーが入っていて、必ずらっきょう付きだった。

 搭乗手続きを済ませた後、内側(飛行機乗り場に近い方)の店で大山のソーセージを購入。
 ビールと一緒に食べたのが忘れられない。じゅるる。

 飛行機の席は、プレミアムクラス。
 直前に予約したから、普通席が無かったのだ。
 ゆったりしているのは良いが、乗務員のお姉さんが妙に親切で落ち着かない。
 上品なもてなしに慣れてない貧乏人。
 私のことなんて気にしないで、他のお仕事頑張って…… という気分に。

 プレミアムクラスだけに付いてくる弁当(さっき夕飯食べたばかりなのに!)をモシャモシャかっ込んでいたら、あっという間に羽田到着。
 鳥取って近いのね。

 モノレールやJRを乗り継ぎ、自宅に着いたのは夜の11時半頃。
 おみやげのふろしきまんじゅうと緑茶をいただき、旅終了。
 お疲れ様でした〜

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↑素朴な味がたまらない、ふろしきまんじゅう。

 関東に戻ったとたん、急にもたげる不安感。
 放射線量を計測しているサイトを見てみたら……
 上がってる!!
 2日間関東を離れていれば、少しは良い方に向かうと思っていたのに。

 ビールの味や妖怪のことを思い出しながら、この厳しい現実を生き抜くよ。
 誰だって死んじゃうんだ。
 その前に、目一杯、楽しんでやる!!

(鳥取旅行記 おわり)

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posted by 柳屋文芸堂 at 22:57| 【旅行記】鳥取旅行記 | 更新情報をチェックする