旦那は私のおでこの毛を愛していて
絶対に剃ってはいけない
などと言いながら
フサフサと優しく撫でる
私は子犬になった気持ちで
ウーッ、アフッ!
と軽く吠え
ゴロンと仰向きになり
あなたを全面的に信用していますよ
あなたにならいくら攻撃されたって構いませんよ
と体で示す
おでこの毛の一本一本から
何やら伝わるのか
一撫でごとに旦那の顔から
トゲトゲしたものが抜けてゆく
私は愛している
愛されている
「女として」ではなさそうだけど
愛されるにはどうすれば良い?
と尋ねる人がもしいたら
私は餌付けをおすすめする
愛する人の一番好きなものを
最高の味付けで提供する
精神? 肉体?
馬鹿馬鹿しい
子犬は割と現実的