2013年03月23日

オカマ板前と春樹カフェ(11/49)

 生まれて初めて、自分のことを可愛いと思えたのは嬉しかった。けれども女装したあたしが本当の「あたし」かといえば、やっぱりそれは借り物の「あたし」だった。世界はまるで、自分の席が用意されていない教室みたいだ。誰もあたしの隣に座ってくれなかった遠足のバスを思い出す。先生は仕方なく補助椅子を出した。座り心地の悪い補助椅子。
posted by 柳屋文芸堂 at 00:54| 【中編小説】オカマ板前と春樹カフェ | 更新情報をチェックする
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