2013年03月23日

オカマ板前と春樹カフェ(20/49)

 一週間後、住んでいるアパートの郵便受けを開けたら、ぷっくり膨らんでいる小さな封筒が入っていた。周平さんにとって「連絡」は電話ではなく手紙なんだ。名刺に書かれていたのと同じ字を見て心が和んだ。水色の便箋と、三枚のコピー用紙が同封されている。

 この間は急に変なおじさんが会いにきてびっくりしたでしょう。でも君も料理の仕事に興味を持ってくれたみたいで良かった。
 村上春樹の小説の、食べ物が出てくる場面のコピーです。付箋の貼ってあるところを見てください。もっと具体的なレシピが書いてあった気がしたのだけど。僕は小説が好きなのに、読み方が雑だと七瀬にいつも怒られている。だから本当は別のページに役に立つ文章があるのに、見つけられてないのかもしれない。


 あたしは厚く畳まれたコピー用紙を広げ、付箋の下を読んでみた。
posted by 柳屋文芸堂 at 00:48| 【中編小説】オカマ板前と春樹カフェ | 更新情報をチェックする
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