2013年03月23日

オカマ板前と春樹カフェ(31/49)

 年が明け、一人暮らししているアパートに戻ると、周平さんから年賀状が来ていた。印刷された干支の絵の横に、手書きで、
「去年、最も素晴らしかったのは、君と出会えたことです」
 と書いてあった。そんな風に手放しに褒められると、あたしは喜ぶ前に苦しくなってしまう。もちろん嫌われたくはない。でもこれ以上心を揺らさないで欲しい。周平さんの書いた文字を見つめ、あたしは床に座りこんだまましばらく動けなかった。
posted by 柳屋文芸堂 at 00:34| 【中編小説】オカマ板前と春樹カフェ | 更新情報をチェックする
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。