2013年03月23日

オカマ板前と春樹カフェ(39/49)

「そうだ、あの、周平さんとナナさんって、恋人同士だったことがあるんですか」
「はっ? 何それ、七瀬の冗談?」
 周平さんが笑顔になり、あたしはちょっとホッとする。
「ナナさんは答えを教えてくれなくて、周平さんに聞くようにって」
「あいつゲイじゃないし。本当の意味ではおネエでもない。迫真の演技だ」
 あたしは軽くショックを受けた。実のお姉さんだと思っていた人が、赤の他人だと告げられたような。
「まあそんな事情に関係なく、ノンケの七瀬に熱く片思いしたって良かったんだな。しかし幸い、僕は七瀬に恋をしたことはない。友達だよ、大切な」
 落ち込んでいるあたしを見て、周平さんは慌てて言った。
「もしかして七瀬のこと好きだったの?」
「違います!」
「あいつ下町のおばちゃん並みに世話好きだからさ、若い子を勘違いさせてるんじゃないかとハラハラするよ」
 勘違いという言葉に、びくりとする。


posted by 柳屋文芸堂 at 00:27| 【中編小説】オカマ板前と春樹カフェ | 更新情報をチェックする
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