2013年03月23日

オカマ板前と春樹カフェ(48/49)

 借りる店が決まり、周平さんは会社を、あたしはオカマバーを辞め、開店準備に追われていた三月末。郵便受けをのぞくと、須本くんからハガキが来ていた。
「引っ越しました」
 という言葉と、新しい住所が印刷されている。どこかの会社の寮らしかった。子どもの頃に教えてくれた本当の名前の下に(須本)と添えられている。簡単に魔法をかけられたりしない力を身につけたのだと思うと、遠くから祝福したい気持ちになった。
posted by 柳屋文芸堂 at 00:18| 【中編小説】オカマ板前と春樹カフェ | 更新情報をチェックする
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