2011年10月01日

うどん・運動 香川旅行 −高松・小豆島−(1日目)

 旅行の前日、私は同人誌即売会「コミティア」に参加していた。
 その片付け、食器洗い、荷造り……
 いつも通りの「寝不足」である。
 少しでも多く睡眠を取っておきたいのに、Dちゃんが寝床でいっぱい話しかけてきて、困った。

 うどんの話で盛り上がる。
 いや、盛り上がっている場合じゃない。
 
 仕方がないので、興奮をおさえるために、
「うどんが一本、うどんが二本……」
 と数えながら眠った。

2011年5月6日(金)

 朝、残り物を食べ終わらせ、食器も全て洗い、予定通り8時出発。
 前日イベントだったのに、よく頑張った、私……

 今回の「旅の友の本」は、

 村上春樹「辺境・近境」
 田丸公美子「シモネッタの本能三昧イタリア紀行」

 旅気分を盛り上げるために、両方とも旅行記である。
 「辺境・近境」には「讃岐・超ディープうどん紀行」が載っている。

 この旅行を終えたあとでは、うどんというものに対する僕の考え方もがらっと変わってしまったような気がする。僕のうどん観にとっての「革命的転換があった」と言っても過言ではない。

 村上春樹のように、私のうどん観もこの旅で変わるだろうか。

 前回の鳥取旅行では羽田へ行くのにモノレールを使ったが、今回は品川から京急に乗った。
 モノレールの乗客はほとんどが旅人なので、浜松町からもう旅が始まっている感じがする。
 しかしこちらは通勤・通学の人が多く(今日は平日だし)ちょっとドキドキが足りない。
 京急の雰囲気はのどかで好きなのだけど。

 羽田に着いて電光掲示板を見ると、高松行きは出発が35分遅れるとのこと。
 特にやることもないので荷物を預け、搭乗口の方へ移動する。
 売店でカツサンドを買い、時間をつぶすために電動マッサージの椅子に座った。

 私が、
「大変だー!!」
 と叫びながらもみほぐされているのを、Dちゃんは楽しそうに見ている。
 もみ玉にやられまいぞ、と体に力を入れてしまい、かえって疲れてしまった。

 その後搭乗口に行くと、飛行機まで移動するためのバスが出る直前だった。
 出発が遅れるからって油断した。
 あぶない、あぶない。

 飛行機までも遠かったが、乗った後も滑走路までの距離がけっこうあった。
 飛行機なのに地べたを走ってばかりで自動車のようである。
 安全についての映像を見ているうちに、ようやく加速が始まる。

 窓からは(今回、窓側の席だったのだ!)海と、大型船がたくさん見える。
 ふわっと離陸すると、その船がぐんぐん小さくなってゆく。
 遠くから見ると、船は白い波の尾を引きながら、時が止まったように動かずにいるような気がする。

 さっきまで巨大に見えていた石油タンクもミニチュアのようになって、全てが作り物のように見えて、何故か分からないけど私は物寂しい気分になり、涙ぐんだ。
 航空写真みたいな(でもずっと立体的な)街は、雲の下に霞んでゆく。

 光が強過ぎたらしく、頭が痛くなってきたので、窓を閉めた。

 空港で買った「花畑牧場ホエー豚のヒレカツサンド」を食べ始める。

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 肉がやわらかくてうまーい!
 こういうお弁当ってハズレの時もけっこうあるけど、当たりで嬉しい。

 あと10分で着陸、と言われてから窓を開けると、いくつか島が見えた。
 が、残念ながらどれが何という島なのか分からない。
 こういう時に地理が得意なら……

 四国の山が、田んぼが、街が見えてくる。
 人生初の四国だー!!
 飛行機からでも、車が動いているのが見える。
 これはミニチュアじゃないんだ。
 下で人間がいっぱい生活しているんだ。

 着陸。高松の空。遠くに山がぼんやりと。
 空港の通路に置いてあった「井上誠耕園」のチラシをもらう。
 小豆島のカフェで、手延べパスタが食べられるそうだ。
 美味しそう♪

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↑鬼太郎がいない…… って当たり前だ。米子空港がいかにすごかったかが分かる。これが普通。

 飛行機が遅れたからちょうど良い時刻のリムジンバスが無いかと思っていたら、着陸時刻に合わせてくれたみたいで、すぐ乗れた。
 窓側の席を確保!
 Dちゃんを窓側に座らせても、全然外を見ないんだもん。
 私は子どものように大はしゃぎである。

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 曇ってる……
 雨じゃないだけいいけど、私たちが出かけると、ホント天気悪くなるんだ。

 街の様子は、普通。
 ただ、瓦屋根が妙に気になる。
 一般の家でも重厚なのだ。
 ぴょん、とはじっこに飾りがある。

 もう一つ気になったのは、空き店舗の多さ。
 日本中こうなんだなー

 旅行の前に「高松が舞台になっている小説」を調べてみたら「海辺のカフカ」が出てきてびっくりした。
 何年も前に読んで、場所なんてすっかり忘れていた。
 そうか、大島さんが働いている図書館は高松にあるんだ〜

 バスの運転手さんは客の応対で焦ってくると、関西弁になる。
 地理的に近いから、関西の人が多いのかな?

 今日泊まる「全日空ホテルクレメント高松」に到着。
 安いコースだからそんなに広くないけど、清潔で感じの良い部屋。
 窓から海はちょっとしか見えない。

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 この部屋(9階)より高いビルがいっぱいだ。

 うどんを食べに行こうと下調べした紙を見ると、2時や2時半で終わってしまう店が多い。
 今は1時半。
 慌ててタクシーに乗る。

 タクシーの運ちゃんは京都出身で、うどんよりラーメンが好き、とのこと。
 香川県民にバレたら思想矯正キャンプに送られてしまうのではないか。

 このあたりのうどんは確かに美味しい、でも、
「チャーシューが載ってない!」
 と言っていたのが面白かった。

 最初に目指していた店が閉まっていたので、運ちゃんにおすすめを聞いて「さか枝」へ。

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 私はざる(中)と天ぷら2種類。

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 Dちゃんは釜あげ(中)と天ぷら1種類。
 二人合わせて680円。
 すごーい! 安ーい!!

 村上春樹の脳内で革命を起した、本場の讃岐うどん。
 麺にコシがあって味もあって、美味しい。

 天ぷらは、穴子とさつまいも。
 どちらも大きい。
 特に穴子は20センチ以上あり、皿に載り切らない。
 食べ途中で満腹になってしまった。

「お腹をさわってごらんよ」
「さわらなくても見て分かるよ」

 というくらいポコッと。ギャーッ
 今日の午後はうどん屋めぐりをする予定だったのに、一軒目でお腹いっぱいになってしまうとは。

 さて、今日一日をどう過ごそう。
 商店街をブラブラしていると、地図の中に面白い名前の店を発見。

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「『八百屋百姓一揆』だって! 隣は『おやじビル』だよ。香川県民のネーミングセンスはとんでもないね」
「ん? 『おやじビル』じゃなく『みやじビル』じゃないか」
 とんでもないのは私の方である。

 実物は見ませんでしたが「八百屋百姓一揆」は実在するようです。
 店を始めた人の気骨が伝わって来ますな。

 「瓦町」という大きな駅に出たので、とりあえず琴平の方へ行ってみるか、と「ことでん(高松琴平電鉄)」に乗ることに。
 改札には駅員さんがいて、切符を出すと、
「切られたー!!」

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 思わず叫んじゃったよ。
 完全に自動化されてないのが嬉しい。

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 終点の琴電琴平駅までは1時間ほど。
 大都会高松(東京みたいだった)とは違う、自然の風景をゆったり楽しむ。
 が、天気が悪くて(腕が悪くて?)満足のゆく写真は撮れず。

 その代わり電車を降りた後、ことでんのキャラクター「ことちゃん」をバシバシ撮りました。

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 イルカながらことでんの新米駅員で、恋人「ことみちゃん」との結婚資金のために頑張って貯金中、とのこと。
 そう言えば香川県は、1世帯あたりの預貯金残高が全国一だったような。
 昼飯があんなに安けりゃ金も貯まるよ。

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↑うさぎの帽子をかぶっているので分かりにくいですが、一番左のが「ことみちゃん」ですね。

 ソフトクリーム屋でもないかと、こんぴらさん(金刀比羅宮)の方へ向かう。

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↑民謡「こんぴらふねふね」の歌詞が刻まれています。

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 参拝するつもりじゃなかったのに、
「もっとステキな店があるのでは」
 という期待の力で、ぐんぐん上に上がってしまった。

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 ここ、石段がキツくて有名なんじゃなかったっけ……?
 だんだん息が切れてくる。
 暑い。

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 途中に資生堂パーラーがあったが(何故こんなところに?!)ちょうど閉店直後だった。
 うえーん、何か美味しいものを食べさせて欲しかったよう。
 我々はまだ、当初の目的だったソフトクリームを買ってないのである。
 上に行けば行くほど店なんて無くなっちゃうんだもの。

 ここは石段だけの苦行スポットなのか?
 と思っていたら、

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 わ〜 展望台があるんだ!
 結局一番上まで来ちゃったよ……
 ここからの眺めはとても美しくて、来て良かったと思った。

 落ち着いたところで「梅ぼし純」で塩分とクエン酸を補給。
 私ってば、なんて用意が良いの。

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↑御神木

 もっと奥にも道が続いていたが、ここで下りることにする。
 少し行くと、神馬だー!

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 エサを食べていて、なかなか顔を出してくれなかった。

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 奉納プロペラ……ってそんなもの奉納しちゃうんだ!
 見上げるほど巨大です。

 急にDちゃんが、
「あれ?」
 キョロキョロしている。
「僕は脱いだトレーナーをどうしたのかな」

 登り途中で暑くなって腕にかけていたのを無くしてしまったらしい。
 あの時にはあった、あの時には無かった、と考えていくと、どうも展望台で落としたらしい。
「マジでー?!」
 もう一度上がり始める。
 私たち、石段マニアか。

「うーん、電車の時刻もあるし…… 諦めるよ」
 ということで、上がるのはやめ、降りてきた。
 神社の人、落としたままにしてすみません。

 帰る頃にはどこの店も閉まっていてアイスは食べられず、トレーナーも無くし、なんだかなー の結果だったけど、緑や花が綺麗で、鳥の声も聞こえたりして、楽しかった。
 ツバメが私の真上で二、三回くるくる回っていた。

 6時過ぎの電車で高松の方へ戻る。
 また切符を切ってもらう。

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↑何度切られても嬉しい。

 こんぴらさんは、赤ん坊連れのお母さんや、子どもや犬も石段を登っていて驚いた。
「もうちょっと頑張らないー?」
 という呼びかけに、
「頑張らない……」
 と答えてうずくまっている小さな女の子もいたな。

 「辺境・近境」の「讃岐・超ディープうどん紀行」のページをパラパラしてみたら。
 な、なんと!

 取材の合間に金刀比羅宮の階段を走って登ったのもよい思い出である。

 あそこ、走って登ったんだ、村上春樹……
 あの人のことだから(100キロマラソンに挑戦するほどの本格的ランナーである)展望台の先の奥の道まで行ったのかもしれない。

 ことでんは切符だけでなく、発車のベルも、
「ジリリリリ……」
 と古風で良い。

 電車を降りると、

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 やーん、ことちゃんがうどんを食べてる〜
 可愛い〜

 駅で同じ柄のメモを買っちゃった。
 ぞぞー

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 天満屋(瓦町駅のデパート)と三越をはしごして、無くしたトレーナーの代わりになるものを探す。
 三越のGAPでパーカーを購入。
 こういう店に入っちゃうと、東京と何も変わらない。

 そこからうどん屋「さぬき麺業」へ。

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 私は釜玉(ゆでたうどんを冷やさずに、生卵としょうゆでいただく)を注文。

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 うどんはやわらかく、関東のものに近い。
 昼間のお店の、自己主張の強い麺の方が好みだな。
 天ぷらが上品で美味しかった。

 「しょうゆ豆」というのが何だか分からなかったので、注文してみた。

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 そら豆、なんだけど、ゆでてないからポクポクと硬めなのです。
 皮をむかずに食べるのが面白い。

 店を出て、明日利用するフェリー乗り場を確認し、ホテルへ。
 10時を過ぎている。
 シャワーを浴びて、おやすみなさい。

2日目に続く)

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posted by 柳屋文芸堂 at 13:31| 【旅行記】香川旅行記 | 更新情報をチェックする