2010年08月04日

日常美術館(その7)

   駅員

 東京の地下には
 駅員という生き物が棲んでいる

 土中生物は目が退化するというけれど
 駅員は
 死んだ目を光らせて
 地下茎の確認をする

 休憩時間の
 馬鹿話 猥談
 そのさなかにも
 時報にピクンと耳を震わせ
 腕時計の時刻を合わせる

 安全確認
 滞りない運行

 妻子の待つ家に着き
「パパでちゅよー」
 と叫ぶまで

 駅員にかけられた魔法は
 決してとけない
posted by 柳屋文芸堂 at 23:34| 【詩】日常美術館 | 更新情報をチェックする