2009年12月13日

ど素人「狂言」談義(その1)

※2004年の梅雨頃に書いた文章なので、情報としては古くなっている部分があります。ご注意&お許しを。

・はじめに

 ある時、友人と能を見に行きました。
 能の公演では、狂言も上演されます。狂言を初めて見た友人は、
「ずいぶん面白いしゃべり方をするんだね。」
とびっくりした様子。それを見て、私は軽いショックを受けました。

 私もそれほど狂言に詳しい訳ではありません。
 けれども何度か狂言鑑賞を繰り返すうちに、狂言独特のセリフ回しにすっかりなじんでしまって、不思議とは思わなくなっていました。

 まだまだ初心者のつもりでいたけれど、もしかしたらすでに、新鮮な発見が出来なくなっているのではないか。

 私は狂言の評論家になりたい訳ではありません。
 単純にゲラゲラ笑ったり、めでたさあふれる幸福感を味わったり、つまりは心を優しく突っついてもらいたいだけなのです。
 それなのに、このままでは狂言を見ても何も感じなくなる日が来てしまうかもしれない!

 研究や鑑賞を積み重ね、「玄人」になれば、また違った狂言の楽しみ方を出来るようになるのでしょう。
 けれど私はいつまでも「ど素人」の視点で狂言を見ていたいのです。
 もしそれが無理なら、「ど素人」の力が残っている今のうちに、狂言に対して思っている色々な事を書き留めておきたい。
 そう考えました。

 これは「ど素人」を「玄人」にするための教科書ではありません。
 「ど素人」が「ど素人」である事を忘れないために書いた、覚え書のようなものです。

 これを読んで、狂言の世界に飛び込む「ど素人」が増えてくれたら嬉しいな、と思いつつ。
posted by 柳屋文芸堂 at 21:58| 【エッセイ】ど素人狂言談義 | 更新情報をチェックする