2009年09月27日

ぬか漬け日記(その9)

   五月十二日 
 ぬか床、見た目はまあ、無事。ただふたを開けると、明らかにアルコール臭が強い。説明書にはあまり良くないこと(異常発酵)として書いてある。冷やして菌を落ち着かせたくても、冷蔵庫の中がおかずでいっぱい。まいったな。

 夜(漬けてから約二十四時間後)山芋を取り出す。少しやせて筋っぽくなり、弾力がついた。ちょっとかじると、しょっぱい! これは漬け過ぎだったかな。変な味にはなっておらず、ホッとした。表面のヌルヌルは消えてしまった。

 夕ごはんに出すとDちゃんが、面白い、美味しいと言ってパクパク食べるので驚いた。アルコールが強く、粕漬けっぽい雰囲気なのが気に入ったらしい。これはそれほど塩辛く感じないそう。漬けた山芋を食べるのは初めてということで、さかんに珍しがっていた。私は母が珍味屋で買って来たのを何度か食べた気がする。珍味が家で手軽に! おお。

 今日の発酵が一体どうなっていたのか知りたくて、「もやしもん」を読み直してみると、日本酒造りの説明部分が近い気がした。二十度を超えてこうじ菌が元気になり、でんぷん(芋には沢山含まれている)を糖に変える。その糖を食べた酵母がアルコールを出す。危うく芋焼酎にしてしまうところだった。

 まあそこまでは無理だとしても、軽いアルコールなら自分の家で生み出せるというのを実証したのは、大きな発見のように感じた。アルコールなんて、大きな設備がなければ一滴も作れない気がしていた。パン生地の発酵でもアルコールは出来るが、焼くと飛んでしまう。山芋はそのまま、アルコールの味を楽しめるのだ。

 しかしこのままだと乳酸菌が弱まり酸味が出なくなりそうなので、説明書を参考に、塩を小さじ半分足してみた。本当は「七〜八回漬けたら大さじ一」とある。けれど突然そんなに味が変わったら困ってしまうので、毎回少しずつ足してゆくことにしたのだ。

 かき混ぜて、冷蔵庫のすみに突っ込む。漬けるのは一回休み。明日はきゅうりにするか。本当はゴーヤをやってみたいが、その後漬ける物が全部苦くなりそうで出来ない。残念だなぁ。
posted by 柳屋文芸堂 at 12:45| 【エッセイ】ぬか漬け日記 | 更新情報をチェックする