2009年09月27日

ぬか漬け日記(その35)

   六月七日
 今日の夕ごはんはネギトロ丼だ。どんぶりにごはんをよそり、トロのたたきを載せる。さらにアボガドと、やまと芋と大根の漬け物も加え、みじん切りのネギをたっぷりかける。味付けはしょうゆと、わさびか柚子こしょう。私は柚子こしょうにする。

 全ての食材がまんべんなく混ざり合っては、いけない。それぞれの味がくっきり立ち上がっていなければ。一口目は、トロとネギとしょうゆと柚子こしょう。二口目は、大根と柚子こしょう。三口目は、アボガドとトロとしょうゆ。組み合わせの違いによって、味わいや食感が鮮やかに変化する。いくら食べても飽きない。どんぶりはみるみる空になる。

 トロとやまと芋が妙に合って、これはすごい、と驚いたが、よく考えたら山かけと同じ材料じゃないか。

 ネギトロ丼にしようと提案したのはDちゃんだ。漬け物にぴったりだったでしょう、と嬉しそうに言う。私はごはんを口いっぱいにほおばったまま、コクコクうなずく。

 食べ過ぎて、しばらく動けなかった。しかし頑張って立ち上がり、ぬか床を混ぜ、冷蔵庫にしまった。


 華やかな食事を終えたところで、この日記はひとまず締めたいと思う。
 ぬか漬けの日々は、もちろんこれからも続く。
 なるべく長く。出来ればずっと。
posted by 柳屋文芸堂 at 12:25| 【エッセイ】ぬか漬け日記 | 更新情報をチェックする