2008年10月21日

その音の響く夜に(その24)

 アスファルトの感触にハッとして足を止めると、河川敷に近いよく知った道だった。フォックスパレスに向かって再び走り出す。
 マンション前の公園から、太鼓の音が響いている。あたりをこうこうと照らすのは、電球の入った紅白のちょうちん。
「なっち、どこ行ってたの?」
 ユミが一大事みたいに叫ぶ。
「呼んでるのに何で来ないんだ、って、おじさん怒ってたよ。」
 私はもう怒ってないのに、と思いながら、なっちはやぐらの下に向かった。
posted by 柳屋文芸堂 at 22:26| 【中編小説】その音の響く夜に | 更新情報をチェックする